今回は国内大手金融グループがフィッシング対策のためにクラウドベースの検知サービスを導入したニュースを取り上げます。リスナーの皆さんにはこの導入が何をもたらすのか、機械学習やクラウドの役割、金融機関の今後の対策の方向性をわかりやすくお伝えします。実務で使える観点も盛り込みますので最後までお付き合いください。
株式会社りそな銀行らりそなグループは9月19日、グーグル・クラウド・ジャパン合同会社とフィッシング詐欺対策に関するWeb Riskパートナーシッププログラム契約を締結し、「Web Risk」を導入したと発表した。
こちらの記事を、簡単に解説お願いできますでしょうか?
今回の発表は金融機関側が外部のクラウド事業者と連携して、世界中で発生する不正ウェブサイトをリアルタイムで検知する仕組みを取り入れたという点が主旨です。導入するWeb Riskは機械学習と大規模なデータセットを用いてフィッシングサイトやマルウェア配布サイトを特定し、顧客がアクセスした際に警告画面を出して被害を未然に防ぐ機能を提供します。過去数年は金融機関が独自のブラックリストやメールフィルタリングに頼る傾向が強かったのに対して、ここ数年はクラウドの脅威インテリジェンスを取り入れる動きが加速しています。今後は検知精度の向上や他のセキュリティ製品との連携、ユーザー通知の迅速化が進み、より多層的な防御が標準化される見込みです。
質疑応答
Web Riskというサービスは具体的にどのように不正サイトを見つける仕組みなのですか?
Web Riskはインターネット上の多数の信号を機械学習モデルで解析して不正サイトを識別します。過去のフィッシング例やドメイン登録情報、ページ内のコンテンツの特徴、ホスティングの挙動、既知の悪性インフラとの関連などを総合してスコアリングします。疑わしいサイトが高いスコアを得るとデータベースに登録され、API経由で各サービスが問い合わせてリアルタイムに警告表示を行います。精度向上のために人的な検証と自動化の組み合わせで誤検知の低減も図られています。
銀行がわざわざ外部クラウドのサービスを使う背景にはどんな経緯があるのでしょうか?
従来は各銀行が内部で対処するケースが多かったのですが、フィッシングの手口がグローバルかつ高速に変化するために単独で追随するのが難しくなりました。クラウド事業者は大量のグローバルデータと学習資源を持っているため最新の脅威を迅速に検知できます。またコストや運用負荷の観点でも共同での脅威インテリジェンス利用が合理的です。規模の経済と専門性を活かす形で外部サービスとの連携が進んでいるのが背景です。
こうした導入が顧客や業界全体に与える長期的な影響や教訓は何でしょうか?
第一に顧客保護の水準が向上することで信頼回復に寄与します。第二に業界全体で標準化が進みセキュリティのベースラインが底上げされます。第三に外部依存が増えるためサービス提供側との契約やデータ管理、可用性の確保が重要になります。教訓としては防御は多層であるべきで単一の仕組みに頼らず、検知、通知、ユーザー教育、インシデント対応を組み合わせる必要がある点です。
海外では同様のクラウド連携による対策はどのように進んでいますか?
海外ではすでに複数の金融機関がクラウドベースの脅威インテリジェンスやブラウズ保護を採用しており、国際的なデータ共有や標準化の取り組みも進んでいます。一方で各国のデータ保護規制や地域ごとの脅威特性に対する調整が課題になっています。多国籍での運用ではローカル法令の遵守とグローバルな検知網の両立が求められるため、導入設計において法務とセキュリティの連携が重要です。
導入後の運用面で企業が注意すべき不確実性やリスクは何でしょうか?
主な不確実性は検知の過不足による誤検知と見逃しのバランス、サービス停止やAPI遅延による業務影響、クラウド事業者との契約条件や責任範囲です。加えて、サプライチェーンとしての外部依存が増えるため第三者リスクの評価と監査が必要になります。対策としては検知ルールのチューニング、冗長構成の確保、委託先のセキュリティ評価と定期的な見直しを行うことが重要です。
まとめ
今回は機械学習を使ったクラウドサービスで不正サイトをリアルタイムに検知し顧客保護を強化する動きと、その背景にある業界全体の流れや運用上の注意点を学びました。また一つ、勉強になりました!


